医療現場の作業環境測定

2021.09.15

労働安全衛生法により作業環境測定が義務付けられている作業場には工場等の製造業のほか病院等
の医療現場の作業場も含まれています。
医療現場の主な測定対象物質は以下のとおりです。

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私が作業環境測定に携わり始めた当初、医療現場の作業環境測定を行うことはありませんでしたが、
平成13年にその発がん性等からエチレンオキシドが特定化学物質に追加され、平成14年に測定が義
務付けられたころから医療現場の作業環境測定を行うようになりました。

エチレンオキシドの作業環境測定を始めた当初は、エチレンオキシドガス滅菌器のエアレーション機
能が法令に対応した性能を有しておらず、作業環境改善が必要な測定結果が続いた記憶があります。

しかし、現在では滅菌器が法令に対応しエアレーション機能で十分に濃度を低減してから滅菌物を取
り出せるようになり、殆どの作業場で適切な作業環境を維持出来るようになっています。

エチレンオキシドと同様に発がん性等から対象になっている物質としてホルムアルデヒドがあります
が、この物質も作業環境測定の対象物質としては比較的最近のもので、平成20年に特定化学物質に追
加され、平成21年より作業環境測定が義務付けられました。この物質の管理濃度は0.1ppmと非常に
低く、生活環境の基準として使用されるシックハウスの指針値0.08ppmとあまりかわらないため、
ホルマリン等を実際に使用する作業環境では現在でも管理濃度を超えることが多く、様々な対策が必
要となります。

その他、以前は工場等が主な測定場所であったキシレン等の有機溶剤の測定も主に病理検査室等で行
われています。

コロナ禍で医療従事者の業務環境が苛酷になる中、作業環境管理を両立するのが困難な場合もあると
思われますが、良好な作業環境で働いて頂けるよう、医療現場の経験豊富な弊社に相談ください。

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