第3回アスベスト大気濃度調査検討会を傍聴

2013.10.31

環境省が10月2日、第3回アスベスト大気濃度調査検討会を東京都内で開いたので傍聴に行ってきました。ここでは前回・前々回の素案に対する議論を踏まえ、建築物の解体現場における大気中の石綿の測定・評価方法の案について検討課題を残しつつもとりまとめが行われました。

それによると、石綿を測定する施工区画境界(敷地境界等)について、原則、主風向の風上・風下の2カ所および主風向に垂直な2カ所の計4カ所とする としています。試料採取時期は石綿除去作業の開始直後とし、試料採取時間120分、フィルタ径47mm、吸引速度 10L/分、吸引空気量1200L、検出 下限値 0.11本/Lを採取条件として例示していました。

また、分析方法について素案から変更し、(1)位相差顕微鏡による総繊維数濃度が1リットル当たり1本を超えた場合に、(2)位相差/偏光顕微鏡法により 石綿繊維数濃度を求め、1リットル当たり1本を超えた場合には、(3)電子顕微鏡法により石綿繊維数濃度を求めるとしています。また、(1)で総繊維数濃 度が1リットル当たり1本を超えた時点で、(2)を実施することや、(1)を飛ばして(2)を行い、石綿繊維数濃度が1リットル当たり1本を超えた場合に (3)を行うこともできるとしています。ただし、位相差/偏光顕微鏡法は、JISには定められておらず(アスベストモニタリングマニュアルに紹介という形 で取り上げられている)、公定法とすることが妥当かどうか検討課題と指摘があり、その測定結果が作業基準の適合性を判断できる結果となり得るかどうかを明 確にする必要があるとしていました。

評価方法として作業環境基準は敷地境界等における石綿繊維数濃度 1本/Lの設定を適当と考えています。但し、この基準の妥当性については、引き続き検討課題としていました。
また、発生源となりやすい箇所として「集じん・排気装置の排気口」と「セキュリティーゾーンの出入口」の2つについても石綿漏洩防止の上で重要であるとして意見が交わされました。

この検討会の案はこれから様々な検討課題を精査し、より具体的になっていくと思われます。弊社は幅広く情報を収集し、これからも迅速に・的確に・確実に変化に対応していきます。

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