身近な毒虫

2014.10.17

秋分を過ぎ、人にとって過ごしやすい季節になってまいりました。
真夏の高温期を避けていた虫類も活動を再開する時期であり、繁殖目的の活発な行動や、越冬を見据えた摂食量増加などが観察されるようになります。
それは人家周辺で見つかることもある嫌な虫類も例外ではありません。特に樹木の多い庭、公園、工場や病院の緑地帯は、住処や餌場として発生源になることがよくあります。

・頻繁にニュースにもなるスズメバチ類
 次世代養育の為に餌を探して活動する、また攻撃性も上がります。

・ケムシやイモムシと表現される各種幼虫類
 蛹で越冬するチョウ目昆虫は多く、この時期にたくさん摂食します。

などが挙げられます。

ハチ類のような重篤な健康被害になりにくいものの、「痛い」や「痒い」ケムシが何種か存在します。今回は、秋に個体数の増えるイラガ科を紹介したいと思います。
イラガ科に属するガ類は成虫の開張(両翅を開いたときの最大幅)約35mm、幼虫の体長約20~30mmの小型昆虫です。成虫は6~9月に発生(年1回ないし2回発生、幼虫は広範な樹種の葉を食べて成長し、10月頃まで見られ蛹で越冬します。)

幼虫は毒針を持っており、刺されると激しい痛みを生じます。繭に毒毛が付く種類も存在するので、要注意です。

aoiraga.jpg
(写真はアオイラガの仲間)

aoiradaup.jpg
(毒毛のアップ)
サクラなどの葉を食べる為、公園や病院の植込みで発生することがあり、他の樹木害虫同様に大量発生すると樹木の外観を損ねます。

このようなケムシやハチ類などの害虫防除には、定期的な緑地管理が効果的です。
薬剤散布は、対象種と発生時期を見越して行うと、若齢幼虫の間に防除でき、効果が大きくなります。また定期的な剪定は、開花や結実に必要であり、ハチ類などその他害虫の発生・営巣を防ぐ事にも繋がります。緑地帯管理は施設の外観維持以外にも、害虫発生量や屋内侵入量の低減に繋がる為、重要な害虫防除です。

カテゴリー:

ページの先頭へ戻る