冬なのに虫刺され?

2014.11.28

12月に入り、寒さも本格的になり、昆虫の姿もあまり見なくなってきました。そんな中、手足が何かに刺されて痒いと相談を受けることがあります。一般的にダニを原因としがちですが、気温が下がれば変温動物である昆虫たちは活動を鈍らせることから、一概にもダニが原因とも言えません。
いろいろな原因が考えられるので一度まとめてみました。


1,ダニ

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ダニの種類は少なくとも20000種以上確認されていますが、一般住宅で住んでいてお目にかかるダニでいえば15種類程度です。その中でも痒みの原因となりえる数種類しかいません。野生動物などに寄生し吸血を行うマダニ、鼠に寄生して吸血を行うイエダニ、他のダニを捕食し偶発的に人を刺すツメダニなどが上げられます。
刺された箇所はアレルギー反応を起こし数時間後に炎症、痒みを引き起こします。
活動が活発なのは初夏~秋にかけての期間で、主に露出していない肌の柔らかい部分を刺します。

2,蚊

蚊.png

今年の夏、デング熱で話題になったヒトスジシマカ、夏場に多くの人が刺される蚊ですが気温が下がった冬場にはほとんどいません。
しかし吸血する蚊は冬にもいます。それがチカイエカです。低温に強く、地下鉄やオフィスなど冬でも暖かい所に年中いる蚊で都市化が進んでいる地域ほど生息しています。

3,トコジラミ

トコジラミ.png

日本では昔南京虫として知られていましたが、一時期目がなくなっていました。しかし最近では飛行機、船舶などの発達により海外から持ち込またトコジラミが定着することがあります。主にホテルや旅館などの宿泊施設に多く、問題となっています。
ダニと同様に刺されるとアレルギー反応を起こし強烈な痒みに襲われます。

4,その他
昆虫以外が原因であることも多く、蕁麻疹などは昆虫に刺された際の症状に良く似ています。また冬季は空気が乾燥することにより皮膚の水分が減少し、痒みにつながってしまうことがあります。


簡単にまとめましたが、これら以外にも原因となりうるものは数多くあります。ですので冬場でも、皮膚に炎症・痒み等がある場合は、ムシ刺されとは決めつけず、原因によっては炎症の後が残ることもありますので、皮膚科に相談することをお勧めいたします。

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