混入異物の同定について

2020.01.28

弊社はサービス業として、『製造現場などにおける昆虫鼠族管理』を提供しております。この業務に関連して表題の『混入異物の同定』が、昨今の製品安全に対する関心の高まりからか、増加傾向にあります。ご依頼内容は様々ですが、「異物の写真で、どのような生物種か判定が可能ですか?」というご質問を多数頂くことから、写真のみの簡易判定と実物を観察する判定について比較を行ってみました。
 
簡易写真判定(71件)と実物観察判定(81件)について、以下のような内容となりました。データは、過去に弊社ホームページで提供しておりました簡易写真判定と同時期にご依頼頂いた実物観察判定を用いております。

20200128Pdata1.jpg

・簡易写真判定
 種まで:12件(16.9%)
 科まで:37件(52.1%)
 目まで:14件(19.7%)
 昆虫類由来:4件(5.6%)
 その他生物:2件(2.8%)
 不明:2件(2.8%)


20200128Pdata2.jpg

・実物観察判定
 種まで:22件(27.2%)
 科まで:50件(61.7%)
 目まで:8件(9.9%)
 昆虫類由来:1件(1.2%)
 その他生物:0件(0.0%)
 不明:0件(0.0%)

比較すると、実物観察判定の精度が高く、分類における科まで判定可能なものが合計80%を超えております。簡易写真判定も科まで判定可能なものが約70%近くとなりましたが、体サイズが大きく色彩や形状によほど特徴のある昆虫以外は判定できませんでした。さらにサンプル総数が増えると、数値は低くなっていくと推測されます。理由として、サンプル自体が製造工程や輸送工程などで破損していることが多く、判定に必要な部位が残っていないことや残っていても写真では撮影や観察ができないことなどが挙げられます。

製造現場において、原材料や製品の輸送がグローバル化している現在、昆虫類だけではなく様々な生物種が付着・混入するケースが増えております。混入異物の同定ご依頼の際は、実物観察判定やDNAを用いた科学分析などをお勧め致します。

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