動物の鳴き声の騒音測定

2016.02.20

今回の騒音調査は、「とある場所」の夜間における動物の鳴き声による騒音の実態を調査し、近隣住民の生活騒音防止を図るための基礎データを得ることが目的でした。
調査は、連続4日間(22時頃~翌6時頃)の夜間連続測定であり、発生源と敷地境界の2地点同時に調査を行いました。

調査方法は、JIS-Z-8731「環境騒音の表示・測定方法」に準拠し、騒音計を用いて、A特性の出力を、本体メモリに100msec間隔で保存しました。
また、周辺の環境騒音も含めた時間率騒音レベル(L5)を求め、規制基準等と照合する内容でした。

測定系統図を 図-1 に示します。

ブログ 動物騒音1.jpg
図-1 騒音レベル測定系統図


図-2 に対象音の騒音レベル波形例を示します。スパイク状のレベル波形が対象音の発生箇所です。

ブログ 動物騒音2-3.jpg
図-2 騒音レベル波形例( 上段 :発生源前、 下段 : 敷地境界 )



発生源前の主音源は、対象動物の鳴き声のほか道路交通音でした。騒音レベル(L5)は約50~60dBの間で推移していました。
敷地境界の主音源は、道路交通音がほとんどを占めていました。しかし、一部では対象動物の鳴き声が観測されました。騒音レベル(L5)は約 65~75 dBの間で推移していまた。
敷地境界の前を走行する車両がない状況でも遠方の道路交通により騒音レベルが高くなり、「とある場所」から発生した音として規制基準と比較することは出来ませんでした。

そこで、発生源前で観測された音をすべて対象動物の鳴き声に起因するものとして敷地境界での騒音レベルを推定しました。
対象動物の発生源から発生源前の測定点までの距離を10 m、敷地境界の測定点までは100 m とし、距離による減衰式(式-1)により求めると、敷地境界での推定値は、発生源前の騒音レベルより20 dB小さい値になります。したがって、発生源の騒音レベル(L5)は約50~60 dBであるので、敷地境界の推定値は約30~40 dB となり、全ての時間帯において規制基準値(45 dB)を満足します。(表-1 参照)

  ブログ 動物騒音4.jpg---------------------式-1
Lr :予測音圧レベル (dB)
LW:音源の基準距離における騒音レベル (dB)
r :音源点から予測地点までの距離 (m):100m
r0 :音源の基準距離 (m)        : 10m

   表-1 敷地境界における規制基準と測定値と予測値一覧

項目 騒音レベル 補足
規制基準(夕、夜間) 45dB
発生源前での騒音レベル(L5)の測定値 約50~60dB 道路交通も含む
敷地境界での騒音レベル(L5)の予測値 約30~40dB

発生源前の測定値を基に
距離による減衰式により
推定した値

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