【作業環境測定】~測定時間が短い場合の測定時間について~

2018.10.23

公益社団法人日本作業環境測定協会大阪支部の技術部会では、作業環境測定を行う上で発生する様々な疑問や技術的問題について話し合われています。作業環境測定機関・自社測定機関を問わず、有志で集まった作業環境測定士で構成されており、定期的に意見交換や情報共有が行われています。

この技術部会で話し合われた内容について、ご紹介させていただきます。

「作業時間が短い場合の測定時間について」

作業環境測定はA測定の開始から終了までの時間が1時間以上と定められていますが、作業場によっては極端に作業が短い場合も存在します。この場合に測定時間を1時間より短縮しても良いか等について話し合われました。

グループディスカッション及び全体討議内容

・測定基準を守るため、1時間以上測定する。(この意見が大半でした。)

・正当な理由がある場合は短縮しても良いのではないか。但し、その理由を報告書に記載する。

(その理由が正当と判断されるかどうかは記載内容と監督官の判断による。)

・事業者から時間を短縮するように要求される場合もあるが、1時間以上測定することが遵守事項であることを説明してご理解頂くことも重要である。

法的測定義務のある指定作業場での作業環境測定において、遵守事項に反した測定を行った場合、その測定の法的根拠を失うことになりかねないため、対象作業が終了していても1時間以上かけて測定するという意見が大半でした。これは実質的な測定内容とは別に法規制に適合させるために必要であると私どもも考えております。

以下は作業環境測定の主な基本事項であり、遵守事項です。

(但し、測定装置等により一部例外があります)

・A測定の開始から終了までの時間が1時間以上

・各A測定点の測定時間は10分以上

・B測定の時間は10分間

・A測定点の数は5点以上

・隣り合うA測定点の間隔は6m以内

作業環境測定は化学分析・測定的側面と法規制の側面を併せ持っております。作業場の状態は決して一律ではないため、どちらの側面も両立させながら作業環境測定を組み上げ実施することが重要です。作業環境測定の実施についてお悩みの際は、お気軽にご相談ください。

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