剥離剤による中毒の多発について
2020.11.18
剥離剤は多くの現場で用いられる物質ですが、このところ橋梁塗膜除去工事や
石綿除去工事などの作業現場において火災や中毒といった事案が多発していることから
厚生労働省より注意喚起が行われています。
既存の塗膜には鉛やPCB等が含まれ、石綿除去工事も同様に有害物が外部へ拡散しないよ
う養生をした上での作業になります。この養生内では、気化した剥離剤等が滞留しやすく
換気設備を稼働させていても思わぬ高濃度になることがあります。
高濃度の気化した有機溶剤環境下において、それに気づかず作業を継続した場合
たとえ防護服や防毒マスクを使用していても中毒が発生するケースも出ております。
これは防毒マスクの破過(マスクの寿命)時間の管理が行われていなかった例であり
特定の条件下では数十分の短い作業時間で破過に至った事案もあるようです。
塗膜のかき落とし作業なども併行する場合には、呼吸用保護具に粉じんのばく露防止と
有害物質のばく露の両方の能力が求められるため送気マスクを含めた適切な呼吸用保護具
の使用が求められ、周知文書が出ているところです。
該当作業に携わる事業者、作業者の皆様は、まずは基本のSDS(安全データシート)
の入手・確認の徹底を今一度実施頂き、ばく露防止の措置と排気装置などの活用により
ばく露濃度の低減を推進していきましょう。
厚生労働省HP
https://www.mhlw.go.jp/content/000679972.pdf
カテゴリー:環境測定・分析サービス