サージカルスモークについて
2022.10.28
近年、日本でもサージカルスモークが注目されるようになってきました。
サージカルスモークとは手術中に生体組織を電気メスや超音波メス、レーザーなどで焼灼・
凝固・切開すると発生する煙のことです。なんとも言えない独特な匂いがします。
生成されたサージカルスモークの95%は水分と言われており、蒸散された血液や細菌・ウイ
ルスなどの感染性微生物が存在していることや、
エチルベンゼン、ホルムアルデヒド、トルエンなどの有害化学物質が含まれており、手術室
勤務者は1日平均27本~30本程度の喫煙に相当するリスクがあると言われています。
また化学物質を含むため、短期暴露で頭痛、刺激、目・鼻・喉の痛み、悪心、嘔吐、くしゃみ、
脱力感、立ち眩みを起こし、長期暴露だと発がんにつながるとも言われています。
医療従事者、さらには患者にも影響を与えうるサージカルスモークに暴露されないために
は個人用防護具(PPE)による対策だけでなく、排煙装置の使用についても推奨されています。
病院の清潔区域では菌を持ち込ませないという意識が根付いていますが、菌を飛散させな
いことや、健康を守る対策も必要ではないかと考えます。
当社では労働安全衛生の法改正による溶接ヒュームの呼吸用保護具のフィットテストの開
始に伴い、マスクフィットテストを実施できるようになりました。
医療現場でよく使われているN95マスクも顔面に密着するよう装着しなければ暴露リスク
が高くなることから、米国労働安全衛生局(American Occupational Safety and Health
Administration: OSHA)は、導入時と年1回のフィットテストを義務付けています。
しかし、長時間N95マスクを装着することにより血中CO2濃度が上昇し、集中力が低下するという報告もあり、長時間の処置や手術では小休憩を挟むなど作業環境への配慮も必要です。
当社では病院清掃受託責任者だけでなく、作業環境測定士を含め衛生工学衛生管理者、保護
具アドバイザー、マスクフィットテスト実施者 等のスタッフも所属しており、様々な目線
からご対応させて頂きます。
お困りごと等ございましたら是非、お気軽にお問合せ下さい。
カテゴリー:環境測定・分析サービス