石綿ばく露による健康影響について

2023.06.26

アスベスト(石綿)は、ヒトの髪の毛の直径(40μm100μm)よりも非常に細く、肉眼では見る

ことができない極めて細い繊維からなっています。そのため、飛散すると空気中に浮遊しやすく、

吸入されてヒトの肺胞に沈着しやすい特徴があります。吸い込んだ石綿の一部は異物として痰の

中に混ざり体外へ排出されます。しかし、石綿繊維は丈夫で変化しにくい性質のため、肺の組織

内に長く滞留することになります。この体内に滞留した石綿が要因となって、肺の線維化やがん

の一種である肺がん、悪性中皮腫などの病気を引き起こすことがあると言われています。石綿ば

く露による主な疾患は以下のとおりです。 

1)石綿肺

肺が線維化してしまう肺線維症(じん肺)という病気の一つです。肺の線維化を起こすものとし

ては石綿のほか、粉じん、薬品等多くの原因があげられますが、アスベストのばく露によってお

きた肺線維症を特に石綿肺とよんで区別しています。職業上アスベスト粉塵を10年以上吸入した

労働者に多く発生しており、潜伏期間は1520年といわれています。アスベストばく露がなくな

った後でも進行することもあります.

2)肺がん

アスベストが肺がんを起こすメカニズムはまだ十分に解明されていませんが、肺細胞に取り込ま

れた石綿繊維の主に物理的刺激により肺がんが発生するとされています。また、喫煙と深い関係

にあることも知られています。アスベストばく露から肺がん発症までに1540年の潜伏期間があ

り、ばく露量が多いほど肺がんの発生が多いことが知られています。治療法には外科治療、抗が

ん剤治療、放射線治療などがあります。

3)悪性中皮腫

肺を取り囲む胸膜、肝臓や胃などの臓器を囲む腹膜、心臓及び大血管の起始部を覆う心膜等にで

きる悪性の腫瘍です。若い時期にアスベストを吸い込んだ方のほうが悪性中皮腫になりやすいこ

とが知られています。潜伏期間は2050年といわれています。治療法には外科治療、抗がん剤

治療、放射線治療などがあります。

アスベストによる健康影響は発症までの潜伏期間が長いと言われています。職務上扱っていた方

は、その作業内容にもよりますが比較的ばく露時間が長いと思われますので、定期的に健康診断

を受けることをお勧めします。また、現在では労働安全衛生法により、事業主に健康診断の実施

義務があります。

(出典:環境省、厚生労働省、独立行政法人 環境再生保全機構)

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