女性労働基準規則の一部改正

2012.09.10

平成24年10月1日から、母性保護のために、生殖機能などに有害な化学物質が発散する場所での女性労働者の就業を禁止する「女性労働基準規則(女性則)の一部を改正する省令」が施行となります。改正女性則は平成24年4月10日に公布されております。

改正女性則では、妊娠や出産・授乳機能に影響のある25の化学物質(従来の規制対象は9物質)を規制対象とし、これらを扱う作業場のうち、以下の業務については、妊娠の有無や年齢などにかかわらず全ての女性労働者の就業が禁止されます。

また、労働安全衛生法に基づき、直ちに作業環境の改善が必要であるにもかかわらず、これを怠って女性労働者が就業できない環境のままとし、就業させないことは、男女雇用機会均等法違反となります。

女性労働者の就業を禁止する業務

○労働安全衛生法令に基づく作業環境測定を行い、「第3管理区分」(規制対象となる化学物質の空気中の平均濃度が規制値を超える状態)となった屋内作業場での業務

○タンク内、船倉内での業務など、規制対象となる化学物質の蒸気や粉じんの発散が著しく、呼吸用保護具の着用が義務づけられている業務

特定化学物質障害予防規則の適用を受けるもの

物質名管理濃度
1 塩素化ビフェニル(PCB) 0.01mg/m3
2 アクリルアミド 0.1mg/m3
3 エチレンイミン 0.05ppm
4 エチレンオキシド 1ppm
5 カドミウム化合物 0.05mg/m3
6 クロム酸塩 0.05mg/m3
7 五酸化バナジウム 0.03mg/m3
8 水銀およびその無機化合物(硫化水銀を除く) 0.025mg/m3
9 塩化ニッケル(?)(粉状のものに限る) 0.1mg/m3
10 砒素化合物(アルシンと砒化ガリウムを除く) 0.003mg/m3
11 ベータープロピオラクトン 0.5ppm
12 ペンタクロルフェノール(PCP)およびそのナトリウム塩 0.5mg/m3
13
マンガン
(注)マンガン化合物は対象となりません。
0.2mg/m3

鉛中毒予防規則の適用を受けるもの

物質名管理濃度
14 鉛およびその化合物 0.05mg/m3

有機溶剤中毒予防規則の適用を受けるもの

物質名管理濃度
15 エチレングリコールモノエチルエーテル(セロソルブ) 5ppm
16 エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(セロソルブ) 5ppm
17 エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ) 0.1ppm
18 キシレン 50ppm
19 N,N-ジメチルホルムアミド 10ppm
20 スチレン 20ppm
21 テトラクロルエチレン(パークロルエチレン) 50ppm
22 トリクトルエチレン 10ppm
23 トルエン 20ppm
24 二硫化炭素 1ppm
25 メタノール 200ppm

上記の25の物質が規制の対象となります。これらは同時に、労働安全衛生法に基づく「特定化学物質障害予防規則」「有機溶剤中毒予防規則」「鉛中毒予防規則」の適用を受けます。

事業主は、女性則に基づく措置とは別に、労働安全衛生法令に基づき、局所排気装置等による発散抑制措置、作業環境測定、健康診断などを実施してください。

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