毎年この時期の事ですが【アブラムシ類の侵入】

2025.05.22

「私は、現在自転車での通勤を行っています。」

なぜ、いきなりこんな話を始めたかというと、当社の専門である「建物への昆虫の侵入」に大きく

かかわっているからです。

今朝、出勤し仕事の準備をしようとパソコンを広げたところ、一匹の昆虫がぽとりと机の上に落ち

ました。

         有翅.png

アブラムシの有翅虫です。

全く気付いていませんでしたが、どうやら自転車で走ってくる最中に服にくっつけて持ち込んでし

まったようです。ワイシャツにスラックス、ヘルメットという、割と引っ掛かりの少ない格好をし

ていると思うのですが......。おそらく、生垣の横を通過したときに服に付着したのでしょう。

実は、この昆虫の持ち込み、今月に入って2回目でした。このような話をすると同僚からは「あな

ただけが虫をくっつけて歩いているんじゃないの?」と言われたりします。しかし、私は、事務

員のブラウスの肩の上にアブラムシがちょこんと乗っかっているのを何度か見たこともあるので、

わりと普遍的にある事なのではないかと思っています。

 

アブラムシは、カメムシ目に属し植物の汁を吸って生きている植物食性の昆虫です。農業害虫とし

ては重要な地位を占めていますが、住環境の害虫――衛生害虫としては、問題になることは少ない

です。しかし、ユスリカなどと同様に建物内でも多数捕獲されることがあるため、混入害虫として

は問題になりやすい昆虫です。植物体上にいる昆虫がなぜ建物内で多く見つかるのか?アブラムシ

は翅のないステージと、翅があり拡散を行う有翅のステージをもっている昆虫です。この有翅虫

が風に乗り、建物の中に侵入してくるのだと考えられます(実際、無翅のアブラムシが建物内で捕

獲されることはほとんどありません)。そして、直接飛来する以外にも、今回の、私のアブラムシ

の件のように、移動する人間の頭髪や衣服に付着して持ち込まれることも多いのではないかと考え

られています。

工場の高清浄度エリアでは、クリーン着への更衣を行う他、頭髪をネットで覆い、全身の吸引やコ

ロコロがけを行うことがルールになっているかと思われます。これは混入の原因になる物を持ち込

まないためのものです。このルールを無視してしまうと、頭髪や人体由来の塵埃の他、このような

昆虫を製造エリアに持ち込むことにつながります。

特に、56月のこの時期は、アブラムシ類などの飛翔侵入性昆虫が屋外で増加する時期です。毎年

の事ですが、「昆虫の多い時期(=繁忙期)になったのだな」と思いながらアブラムシを窓から逃

がしました。

                          ペストコントロール業務管理部 技術部長

カテゴリー:

ページの先頭へ戻る