ズボンに纏わりつくブユ
5月の連休に登山道を歩いていたところ、体に纏わりついてくる小さな昆虫がいました。
捕まえてみるとブユの一種のようです。
○ブユとは
ブユは双翅目(ハエ目)ブユ科に含まれる昆虫の総称です。
雌は吸血性で、一部の種類は家畜や人を刺咬・吸血する衛生害虫です。
地域によっては、「ブト」や「ブヨ」とも呼ばれ、地方名が多いことが知られています。私の実家では「ブヨ」と呼んでいましたが、これは吸血性のアブ科の事を指す事もあり一概にブユ科のみを「ブヨ」と呼んでいたわけではなさそうです。おそらく他の地域でも、アブ科やヌカカ科など、他の吸血性昆虫を「ブヨ」「ブト」と呼ぶ場合があるのではないでしょうか。
○ズボンにブユが
観察していると、数匹がズボン膝の皺へもぐりこもうとしていました。
そう言えば以前に、牧場で馬の股の間に、ブユが数匹集まっていたのを見たことがあります。
おそらく皮が軟らかく、攻撃されにくい体の裏側を狙う習性があるのかもしれません。
動きが面白いのでしばらく見ていると、私の頬に鋭い痛みが走りました。
とっさに手で払いましたが、危機一髪でした。
個人差はありますが、ブユに刺されると強い痛みがあり、また、蚊などに比べて大きく腫れます。
動きは面白いのですが、刺されないように気を付けなければなりませんね。
○ブユ科の生息箇所
ブユ科の幼虫は、清流などの水中で成長します。幼虫は水質汚染などに弱く、都市部でブユ科の被害に遭うことはことは稀です。弊社のモニタリングでも、あまり捕まりません(捕まった際は、「その他双翅目」として報告書に計上しています)。
捕獲があった場合は、建物内部で生育する事はほぼ無いと考えられますので、外部から侵入する他の飛翔虫と同様の対策になります。
ブユ科 Simuliidae
体長:成虫1.5~6.0mm
雌は吸血性で、一部の種類は人や家畜を激しく刺咬・吸血する
幼虫は水生で、水質汚染に弱いため都市部で見ることは稀。