アスベストの検出法、JISとISO

2012.06.30

先日ISO(国際標準化機構)が、JISで採用している検出方法を「採用しない」と決定したというニュースがありました。以前よりISOにJIS法が採用されるのか否か話題になっていましたが、正式に欧米普及型の採用が決まったようです。

では、JIS法と今回ISOで採用された欧米普及型の方法はどう違うのでしょうか?

JIS法

位相差・分散顕微鏡法...形状・分散色の確認・偏光による色の変化などで解析
X線回折法...回折ピークの確認

欧米普及型

実態顕微鏡法...実像をそのまま拡大、形状等を判断しピックアップ⇒偏光顕微鏡のサンプルへ
偏光顕微鏡法...形状・分散色の確認・偏光による色の変化・消光角の確認などで解析

アスベストは繊維状の形状によってカテゴライズされているにも関わらず、X線回折法では形状を判断できないことや、偏光顕微鏡法に比べて位相差・分散顕微鏡法は得られる情報が少ないことが採用されなかった要因の1つではないかと思われます。

しかしながら、偏光顕微鏡については操作が煩雑で分析者によって結果に誤差起こりやすいなど、どちらの方法にも一長一短があります。また、当然のことですがどちらの方法でも、通常建築材料中のアスベスト分析において大差ない結果を導き出します。

厚生労働省は「検査方法を見直すつもりは無い」と発表していますが、今後の動向にも注目したいと思います。

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