ナフタレンとリフラクトリーセラミックファイバー

2015.05.29

ナフタレンとリフラクトリーセラミックファイバー(別名:セラミック繊維、RCF)が特定化学物質障害予防規則の対象物質に追加される見込みです。

厚生労働省の「化学物質による労働者の健康障害防止措置に係る検討会」に於いて審議がなされ、平成26年度の報告書(平成27年2月)では、ナフタレンが「特定化学物質障害予防規則」の「特定第2類物質」、リフラクトリーセラミックファイバーが「特定化学物質障害予防規則」の「管理第2類物質」と同様の事業者に対する規制が必要とされています。

具体的には、製造または取り扱う業務について、作業環境測定の実施、局所排気装置の設置、特殊健康診断、記録の保存30年(作業記録・作業環境測定・健康診断)等です。

既に作業環境の管理濃度、局所排気装置の抑制濃度についても検討・提案されています。

物質名 管理濃度(案) 局所排気装置の性能要件・稼動要件(案)
ナフタレン 10ppm 抑制濃度による10ppm
リフラクトリーセラミックファイバー 0.2f/c㎥ 又は 0.3f/c㎥ 抑制濃度による0.2f/c㎥ 又は 0.3f/c㎥
(管理濃度と同じ値)

規制導入のスケジュールは目安として
政省令改正を行う場合、
①平成27年6月頃 改正案についてパブリックコメント実施
②平成27年8月頃 改正政令・規制の公布
③平成27年10月頃 改正政令・規制の施行(一部猶予)
といった流れになるようです。

 ナフタレンなどは防虫・防臭剤や有機化学合成の原料として広く用いられ、身近にも存在する物質であり、対象事業所も多いと考えられますので、御社で該当する作業場が無いか、事前に確認されることをお勧めします。
また、現在は、公布・施行前ですが、改正の背景にこれらの物質の「発がん性の可能性がある」という有害性評価がありますので、今から対策を講じておくべきと考えます。

資料
平成26年度化学物質による労働者の健康障害防止措置に係る検討会報告書(平成27年2月)

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