アスベストとベビーパウダー
2021.06.03
今回は、昨今話題になったアスベストに関するニュースの中から、ベビーパウダー中に含ま
れるアスベストについてご紹介致します。
アスベストを含む天然鉱物であるタルクの実分写真
from pixabay
アスベストを含む天然鉱物にはタルク、バーミキュライト、セピオライト等があります。
このうち、(※1)2014年以前に輸入されたタルク・バーミキュライト・セピオライトには主に
クリソタイル・トレモライトが含まれていることがあります。セピオライトやバーミキュ
ライトは培養土として使用されております。タルクは、無機鉱物の中で硬度が低く、耐熱
性や化学的安定性に優れております。製紙、プラスチック、ゴム、塗料、セラミックスな
ど広範囲の分野で使用されております。また、化粧品用の顔料や接着剤などでも使用され
ております。
ベビーパウダー写真 from photo-ac.com
実際、(※2)2019年には北米のメーカーの通販サイトで販売していたベビーパウダー中に使用
されていたタルク粉末にアスベストが見つかったとして自主回収されております。2020年
5月には原料がタルク粉末のベビーパウダーの販売中止を発表され、対策としてコーンスタ
ーチ粉末のベビーパウダーのみ販売されるようになりました。
日本でも、(※3)1987年調査で調査された11社19製品中5製品のベビーパウダーにアスベスト
が含まれていたことがわかり、回収されたことがあります。また、この問題が建物の吹付
材中の石綿が問題化された一つのきっかけとなった経緯があり(※4)1989年以降には大気汚
染防止法の中に特定粉じんとして規制されるようになりました。
(※1) : 2006年9月1日労働安全衛生法第55条
製造、輸入、譲渡、提供または使用が禁止されております。
(※2):北米でベビーパウダー販売中止
https://www.bbc.com/japanese/52734473
(※3): アスベスト混入ベビーパウダー・タルク問題 https://joshrc.net/archives/2492
(※4) : 大気汚染 防止法第16条 アスベスト製品 製造工場に対する規制
カテゴリー:環境測定・分析サービス