消防士は中皮腫リスク1.6倍⁈
2022.08.10
先月の毎日新聞にこんな記事がありました。
『アスベスト(石綿)が原因とされるがん「中皮腫」にかかるリスクについて、消防士
は一般の人と比較して1.58倍高いと推計されることが、国際がん研究機関(IARC)の
調査で判明した』。
消防士は、消火や災害救助の活動などを通じて、建物に耐火材などとして使われている
石綿の粉じんなどにさらされる危険が常にあります。
中皮腫はアスベストの暴露から20~50年と非常に長い潜伏期間を経て発症するのが特
徴です。このため、アスベストを扱う職業に就いていた人をはじめ、消防士やアスベス
トを扱う作業所の近くで働いていた人や近くに住んでいた人も可能性があるといいます。
また、アスベストによる健康被害として、石綿肺・肺がん・胸膜疾患などがあります。
石綿肺はアスベストを吸入することによって起こる肺のびまん性間性質肺線維症です。
アスベスト暴露から10年以上経ってから発症し、肺がんはアスベストの暴露量が多く
なるほど肺がんのリスクは高くなります。そして、肺がんの最大要因はタバコだが喫
煙とアスベストの両方の暴露を受けると、肺がんのリスクは相乗的に高くなります。
今までは中皮腫などの公務災害認定では、アスベストが使用された場所で働いていた
という同僚の証言等が必要とされ、他の労災に比べて認定されにくいのが実情であっ
たが、今後この研究報告によって一定期間その場所で働いていたということが判明す
ればアスベストの災害認定がしやすくなる事を期待したいと思います。
カテゴリー:環境測定・分析サービス