静かな時限爆弾
2024.11.12
来年1月で発生から30年となる阪神・淡路大震災で、瓦礫処理などの際に飛散したアスベスト(石綿)の
暴露によると思われる健康被害が後に判明した問題を受けて、兵庫県保険医協会が県内の医療関係者を対
象にアンケート調査をした結果、約4割が「被害者が今後増加する」と考えていることが分かり、記者会
見で明らかにしています。
(今年6月神戸市)
吸引していた場合、石綿の体内潜伏期間は平均40年とされており、近年発症する可能性が高まりますが、
アンケート調査では、半数超が被害の発生を「知らない」と回答しているということです。公表されて
いる被害者が7名ということもあり、協会は国や自治体による被害把握や情報発信が不十分だとして、実
態調査を改めて求めています。
震災後の瓦礫、建物撤去の際、アスベスト処理が行われ、当社では瓦礫の中や崩れかけの建物の間を測
定機材持参で現場に入っていました。しかしながら、これは一部の話で、大半が専門の処理がなされな
いまま、あるいは、簡易マスク等着用での作業だったようです。
当時の被災地の状況としては、瓦礫や崩れかけのビルから毒性の強い(青・茶色)アスベストが付着し
ていたり、ぶら下がっていたりしていて、飛散状況としては複合暴露だったのでは...とも言われていま
す。
開業医や勤務医らで構成された協会のアンケート調査のうち、今後の被害者数の推移に関する質問に対
して、「増加する」との回答は39.5%、「多少増えてもそれほど多くない」は20.9%で、他は「分から
ない」などだったとのこと。(回答者306人)
震災後30年を迎えて、中皮種や肺がんを引き起こすリスクが高まってくる事を機に瓦礫処理などに関わ
ったり、被災地に留まらざるを得なかった方は専門医の石綿健康診断を受けられてはいかがでしょうか。
カテゴリー:環境測定・分析サービス