水銀に関する条約の条文案が合意

2013.02.01

水銀に関する条約の制定に向けた議論のため、平成25年1月13日(日)からジュネーブ(スイス)において「水銀条約政府間交渉委員会第5回会合」(INC5)が開催され、1月19日(土)朝(現地時間)に条文案が合意されました。また、条約の名称が「水銀に関する水俣条約」に決定されました。

併せて、本年10月9日(水)から11日(金)に条約の採択・署名のための外交会議を熊本市及び水俣市で開催することが正式に決定されました。

合意された条文には、

○電池、スイッチ・リレー、一定含有量以上の一般照明用蛍光ランプ、石鹸、化粧品、殺虫剤、局所消毒剤、非電化の計測機器(血圧計、体温計、気圧計など)などの水銀含有製品について、2020年までに、その製造、輸出、輸入を禁止する(ただし、一部の用途等を除く)。歯科用アマルガムについて、使用等の制限のための措置を講ずる。

○水銀の貿易(金属水銀の貿易に限定し、水銀化合物の貿易は対象外)について、水銀の輸出は、1)条約上で認められた用途、2)環境上適正な保管(第12条)に限って認める(水銀廃棄物の輸出は第13条とバーゼル条約に従う)。水銀の輸出時にあたっては、輸入国(締約国・非締約国に限らず)の事前同意が必要。 水銀の輸入規制は、非締約国からの輸入のみを対象として、輸出国に対して、輸出される水銀が1)新規の一次鉱山からのものでないこと、2)閉鎖した苛性ソーダ製造設備からのものでないことの証明を要求する。

○大気への排出:石炭火力発電所、非鉄金属精錬施設等を対象に、排出削減対策を実施する。新設施設には、BAT(利用可能な最良の技術)/BEP(環境のための最良の慣行)を義務付ける。既存施設には、[1]排出管理目標,[2]排出限度値、[3]BAT/BEP,[4]水銀の排出管理に効果のある複数汚染物質管理戦略及び[5]代替的措置から1つ以上を選択し、実施する。
水・土壌への放出:各国が放出削減の対象となる放出源を特定する。新規・既存施設とも、[1]放出限度値、[2]BAT/BEP、[3]水銀の放出管理に効果のある複数汚染物質管理戦略、[4]代替的措置から1つ以上を選択し、実施する。

○小規模金採掘(ASGM)が実施されている締約国はその使用や環境中への放出を削減、可能であれば廃絶するための行動を行う。

○水銀の一次鉱出(水銀を鉱出することを一義的な目的とする鉱出活動)に関して、新規鉱山開発については条約発効後に禁止し、既存の鉱山からの鉱出については条約発効から15年後に禁止。 などが盛り込まれました。

益々、環境に関する規制や基準が厳しくなっております。環境問題等について興味や疑問をお持ちでしたら弊社にお問合せ下さい。

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