アスベストと古代ローマ

2021.09.01

ギリシャ語で(amiantos:シミのない、無キズ)を意味するアスベスト*1は繊維が極めて細く、
耐火性・耐腐食性が特徴です。古代ローマでは紀元前2500年頃から様々な場面でアスベス
トが使われていたようです。

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古代ローマではアスベストと死には深い関わりがありました。*2
紀元前400年頃、ペロポネソス戦争など戦が多く、村の焼却など、"火"の原因で亡くなる
ことがありました。その頃から、焼死対策のため耐火性を持つアスベスト繊維を布に織り込
んだ衣類が使われました。紀元前450年頃には火葬後に遺灰だけを残すため、アスベストの
布を死衣装として故人に包むようになりました。このようにアスベストと死には密接な関係
がありましたが、他にも古代エジプトでアスベスト製の布がミイラに使われていることも有
名です。

また人々の生活においても、アスベストを利用する事で手拭きや用事を書き記す紙製のナプ
キンの後処理問題が解決できました。アスベスト製ナプキンは火の中に投げ込むと燃えずに
残り汚れが取れるためです。このことは、アスベストが魔法の鉱物と呼ばれるきっかけとな
りました。*3

魔法の鉱物として古代ローマで知られたアスベストは、一部の人は健康上の危険性があるこ
とを認知しておりました。
古代ギリシャの地理学者であったストラボンはアスベストの肺の病気に初めて気づきました。
アスベストを含んだ衣服等の製品工場の間で肺の病気で若い労働者たちが亡くなったことが
きっかけでした。*3
また、古代ローマの学者であったガイウス・プリニウスは初めてアスベスト用の防護マスク
を作りました。アスベストの肺の病気を軽減するため、アスベスト鉱山の労働者に呼吸器と
して動物の皮膚で作った透明な浮袋状の物を使用するよう呼びかけていました。*3


参考文献

*1 アスベストの言葉の起源
History of Asbestos Part 1: What is in a Name? - Risk Removal

http://www.ierfinc.org/Origin_of_the_Word_%20Asbestos.pdf


*2アスベストと死、信仰の関係性
https://blog.rmiwyoming.com/a-history-buffs-guide-to-fr-clothing-and-materials


*3アスベストと古代ローマ
Asbestos: Controversial "Wonder Material" of Past and Present - Seven Ages

The History of Asbestos - Importing, Exporting & Worldwide Use

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