毛髪管理のための基礎知識

2013.06.28

食品や医薬品などの製造工場において、毛髪混入防止は、製品の品質保証のなかでも大きなウエイトを占めています。しかしながら、設備の改善や個人の衛生教育などの毛髪混入対策を講じているにもかかわらず、なかなか混入が減らないといった話も耳にします。
基本的なことではありますが、毛髪の特性を知っておくことは、適切な混入対策を講じるための基礎となります。

今回は、毛髪の基礎的な知識をご紹介します。

毛髪の寿命

毛髪混入が起こる原因のひとつに、脱毛があります。健康状態や体調によって抜け落ちることもありますが、毛髪は寿命を迎えると抜け落ちてしまいます。毛髪の寿命は以下のとおりです。

頭髪 4~6年
ひげ 1~3年
眉毛、まつ毛 3~4か月
陰毛、腋毛 1~1.5年

※頭髪の場合
頭髪の本数はおよそ10万本
頭髪の寿命は平均5年
⇒1日に抜け落ちる頭髪の本数=10万本÷(5年×365日)=およそ55本

すべての従業員から毎日およそ55本の頭髪が脱毛しているとすると、その数は膨大な量になります。毛髪混入防止の徹底のむずかしさが、こうした数字からもうかがえます。

毛髪の構造

毛髪の構造は、中心に毛髄質、その周りに毛皮質、さらにその外側に毛小皮(キューティクル)といった3層からなっています。人毛であれ、獣毛であれ、この 構造に変わりはありませんが、毛髄質の太さや毛小皮の紋理が動物種で異なります。毛髪が人毛か獣毛か特定する際に活用されます。

毛髪の構造図

以上、すでにご存じのことばかりかもしれませんが、いま一度すべての従業員で基礎知識を確認し、管理体制の向上を図っていただきたいと考えます。

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