建物への昆虫侵入対策(ヤスデ編)
2023.10.17
工場や倉庫などで、商品への異物混入を防ぐためには、混入異物となる昆虫などを建物に
侵入させないための侵入対策が重要となります。
特に雨の多い時期に、建物に侵入してくる虫としてヤスデが挙げられます。ヤスデは、昆
虫ではなくヤスデ綱に分類される別の節足動物です。地表を徘徊し、枯葉や腐植物などを
食しており、雨などで地表面が水没すると、それを避けるために建物などに侵入してくる
と言われています。ムカデとよく似ていると言われますが、ムカデが毒牙を持ち刺咬害が
あるのに対し、ヤスデは、毒牙を持たず人に刺咬害を与える事はありません。しかし、ヤ
スデには刺激を与えると、体から化学物質の液体を分泌し身を守るものが多く知られてい
ます。化学物質の種類は種によって様々で、皮膚等に影響を与えるものもあるためむやみ
に触らない方が良いかもしれません。
さて、このヤスデを屋内に侵入させないための対策の一つとして、建物の営繕が挙げられ
ます。建物周辺にヤスデが多く生息していたとしても、建物のバリア性が保たれていれば
侵入経路は扉などの周辺に限られます。そうでない場合、建物にひび割れや隙間等が生ま
れ、バリア性が保たれていない場合は、まずその経路を塞ぐ事が重要になります。
扉からの侵入は対策が難しいですが、
・扉にブラシやパッキンを取り付け隙間の無いようにする
・扉の開閉を管理し開放時間を少なくする
・屋内に侵入したものを製造エリアに入る前に殺虫する
など、状況に応じて対策は様々となります。
また、建物周辺にヤスデの潜み場所を作らないようにし、侵入する数を減らすという対策も
あります。状況によっては、建物周辺の殺虫処理を行う事も、対策の一つに挙がる事があり
ます。薬剤による対応としては、忌避効果のある粒剤や粉剤などを建物周辺に散布し、侵入
を防止するという方法もあります。
建物の状態や運用などによって、取るべき方法は様々であり、それらを見極め組み合わせて
いくことが「良い防虫対策」と言えるのではないでしょうか。
カテゴリー:衛生環境管理サービス