トルキスタンゴキブリの形態
トルキスタンゴキブリは、北東アフリカから中央アジアの熱帯を原産とする外来種で、かつては日本での定着は難しいのではないかと考えられていました。しかし、現在では兵庫県などで定着が確認されており、害虫用のトラップに捕獲される事例も増えてきています。
今回は、まだ日本では馴染みの薄いこのゴキブリの形態について述べていきます。
トルキスタンゴキブリ
Shelfordella lateralis(Walker,1868)
体長:♂20㎜内外 ♀25㎜内外
前翅長:♂20㎜内外 ♀6~7㎜
雌雄異型 雌の翅はとても短い 雄の方が細身でやや小型
別名「チュウトウゴキブリ」「レッドローチ」
一般的によく知られているクロゴキブリにくらべ、やや小型で可愛らしい姿をしています。
雌雄異型で、成虫は雄と雌で姿が大きく異なります。
○トルキスタンゴキブリ雄成虫
翅が発達し、腹端(お尻の先)より長く張り出します。
体色は薄い茶褐色で、見慣れたゴキブリ類にくらべると非常に薄い色をしています。
○トルキスタンゴキブリ雌成虫
翅がとても短く、腹部が露出します。
体色は赤褐色~赤黒色で、前胸や翅の縁に黄色~白色の紋が現れる場合があります。
雄にくらべ、やや厚みのある姿をしています。
○トルキスタンゴキブリ幼虫
幼虫では雌雄に大きな差は見られません。
体色は茶褐色~赤褐色で、腹部はやや黒みがかった色合いになります。
以上のものが、トルキスタンゴキブリの一般的な形態になります。
もちろん、正確な種類を調べるためには、もっと細かい部位を見る必要があります。特に、幼虫は他のゴキブリ類と良く似ているため同定には注意が必要でしょう。