トルキスタンゴキブリは登れない?
以前【こちら】で紹介したトルキスタンゴキブリは、他のゴキブリに比べて壁を登る事が苦手です。
これは何故なのでしょうか?
それには『爪間板』という器官が関係しています。
○爪間板
『爪間板』とはクロゴキブリなどの足の爪の間にある吸盤状の器官で、壁などに張り付くために使われます。
多くのゴキブリ類がガラスなどの平滑な面の上でも自由に移動する事ができるのは、この爪間板があるためです。
しかし、トルキスタンゴキブリはこの爪間板が発達していません(下記写真参照)。
このため、他の害虫種のように壁などを登る事は苦手です。
○登れる所、登れない所 屋内定着の可能性
トルキスタンゴキブリは他の害虫種のゴキブリに比べ、登る能力は高くありません。
「じゃあ、ちょっと高い所にある家とか、ビルの中には入って来れないんじゃないのかしら? 」
そう言われた事がありますが、しかしそうでもないのです。
ガラス面などの平滑な面を登る事は苦手ですが、木材など爪が引っかかる面は垂直でも登る事ができます。
屋内に侵入できないわけではないのです。
トルキスタンゴキブリ
Shelfordella lateralis(Walker,1868)
体長:♂20㎜内外 ♀25㎜内外
前翅長:♂20㎜内外 ♀6~7㎜
雌雄異型 雌の翅はとても短い 雄の方が細身でやや小型
別名「チュウトウゴキブリ」「レッドローチ」