改定土壌対策基本法の講演を聴いて

2010.08.27

最近改正があった土壌汚染対策基本法や、現在法案が検討されている地球温暖化対策基本法等の解説を聴くため、エコケミストリー研究会主催の環境法改正シンポジウムに参加してきました。

特に土壌汚染対策基本法については今年の4月より改正法が施行され、以前から興味を持って改正点などを調べていましたが、今回は直接改正に関わった環境省の方が講壇に立つとあって改正に至る背景等をうかがうことができました。

お話によると改正の肝は「安易な汚染土壌の掘削除去処置」を行いにくくすることにあったようです。改正前では掘削された汚染土壌の処理までを管理することができず、処理法によっては汚染拡大を引き起こしてしまう恐れがあったそうです。

改定点としてよく以下のような点が挙げられますが、「形質変更時要届出区域」を設けたことなどはこのためのようです。(他にも掘削土壌持ち出しの際の規制等も強化されています。)

●おもな改定点

・面積が3000m2以上(地歴による)である土地の対象への追加
・自主的に調査を行った場合でも申請により指定区域とすることができること
・指定区域に「形質変更時要届出区域」が追加されたこと
Etc

「汚染土壌が見つかった場合はとりあえず掘削除去を行い、清浄化する」という行為は汚染拡大に繋がってしまうかも知れません、ただ講演でも触れられていましたが、資産としての「土地の価値」について考えると一概に環境法上の概念のみで完結できる話ではない、難題だと思います。

そういった意味で掘削除去にニーズがあるならば、「汚染拡大を引き起こさない掘削除去」という道を模索するのも一つの手かも知れません。

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