虫に関する基礎知識の重要性

2023.11.27

工場や倉庫内での異物混入を防ぐためには、その原因となる昆虫などを建物内に侵入させ

ない対策が必要となります。

しかし、対策を講じるためには個々の生息場所や生態を理解しておかなければなりません。

現在知られているだけでも100万種以上いると言われる、あらゆる昆虫すべてに効果のある

万能なアイテムはなく、各々の特徴に基づいた対策をとることで防虫の効果が生まれます。

筆者も、現在の業種につくまでは、虫は全て「虫」という一つの生物としてしか見ていませ

んでした。しかし、基礎的な知識を得ることで、一見同じような小さな虫でも発生場所や餌

などが異なる、全く別の虫であるということが見えてきました。

一例を挙げると、チョウバエ科というハエの仲間は排水系統の湿潤な堆積有機物を餌としま

す。そのため、発生場所も厨房やトイレ、排水溝といった水回りで多く見られます。一方シ

ョウジョウバエ科は樹液、果実や食品などの発酵物を餌とし、生ごみのある台所やゴミ置場

で発生します。どちらも一般的にはコバエと称され、家の中で見かけても小さな飛んでいる

虫としてだけ認識している人が多いのではないでしょうか。

また、ムカデ類とヤスデ類も似ていると言われ、多くの人が「肢のたくさんある虫」として

認識し、どちらがどちらかを気に留めている人は少ないのではないかと思います。ムカデ類

は毒牙を有し、人や動物に対し刺咬害を与えますが、ヤスデ類は毒牙を持たず刺咬害はあり

ません。人によってはゲジ類も肢が多いことからムカデ類と混同してしまい、毒があると勘

違いしてしまっているケースもあるようです。

昆虫を一緒くたに「虫」として見るのではなく、各々の生態や特徴を知ることで防虫の観点

からはもちろん、何気ない日常においても少し開けた世界が見えるのではないでしょうか。

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